新しいものには、神が宿ると言いますが それはとても神聖な理由があるようです。丁寧に生み出され、迎え入れられ、その気持ちあってのこと。
オーダー例として、ホームページで紹介させて頂いている家具は、クライアントのご依頼の家具が、めでたく完成し、納品直前の貴重な時を、写真に記録したものです。
何年もつながって、生まれるべき縁があって、新しく生まれた とてもとても神聖なもの。
商品でも形のサンプルでもなく、あえて言うなら、同じものは生まれない大切な思い出です。
そして、納品に伺い、ようやく家具として木や金属や革が、道具として使われ出すのです。
自然が、あたりまえのように美しく生み出した素材を、人が手を動かし家具という道具に作りかえ、迎え入れて頂き、新しい命のはじまりです。
決して古びるのではなく、使われ、家族とともに時を重ね、味わいを増していきます。
傷ひとつとっても、プラスチックとは違い、愛らしく感じさせてくれます。
そして、水と仲良しの自然素材は、呼吸もしていますし、水分を吸ったり出したりしています。愛情をかけ、手入れすることもできます。何十年、何もしてやれなくとも、また人が手を入れれば、フレッシュな木肌が中から顔を出してくれます。
古びない素材。
このチェストは、ブラックチェリーの木の味わいを見て頂きたいと、2年ほど前に、わざわざ展示用できるように作ったものです。
木目をloveした、浅い引出しの極みであります。
少々、時間が経過し、色艶が増してきました。ようやくらしさが出、本来の木の見て頂けるようになってきました。
これが、ブラックチェリーの、他の木にはない、色濃く深くなっていく独特な経年変化であります。