納品に伺いました。
前日に積み込みをしながらいろんなことを思い出していました。
引き戸しの数の多さや、製作に取り組んだ日々や、クライアントとの今までの日々、おおがさかもしれませんが人生の共有や親しさと尊厳、何をとっても感慨深くありがたく懐かしく、そしてワクワクと、、、。
10年以上前に作らせて頂いたチェリーのカウンターデスク。


デスクからは、ラタンのつい立越しに、引き出しの家具が見える配置になります。

午前中から2階へ搬入をし、午後のお茶の時間には、落ち着けることができました。
朝の日を浴びるクルミはきっと美しくて、新しい日々を祝福してくれると思います。
午前中には、テレビ台も日を浴びていました。
写真には写らないものって不思議です。

写真はすごく好きで、学生の頃はフィルムカメラで遊んでいました。
記録をするというより、空気感や時間を撮りたい思っていました。
ピンボケ写真のほうが、生きているこの日々に近いような不確かさがあって好きでした。
断言できることや絶対って言えることはなくって、それが生きるっていうことなんだと。
自然ということなんだと。

僕は家具が大好きです。
人が生きるのに、希望がわくからです。
人と同じように時を重ねていき、自分よりも長生きで、、。

この家具も、光を放つ(反射する)素材としてアルミを使いました。
その家具のデザインのために素材を利用することはなくて、アルミ素材に光を放つことを担ってもらった、、ということです。
ラタンの扉をデザインが良くなるために使いたいという気持ちで取り入れることはしたことがなく、使い心地がソフトになって生活にその優しさや稲穂のような柔らかさがあるときっとその人たちやその環境が、優しく美しくなると思うから、植物のラタンに「あなたしかできない光を放ってください」と頼んで家具にしています。

昨日は過去で、明日は未来。
時間は未来から過去に向かって流れている。
過去から未来に向かって生きているのに。