05.11 Thu
板の仕入れ


あるデスクを作るためと、あるダイニングテーブルを作るために、
どういう材料で作ったらいいのか迷いはない。


でも、そういう都合のいい材があるわけではない。
そういう材がありそうな予感を頼りに動くしかない。





この板なら生かせるかも、、
この板はテーブルになるときっといいだろうな。
この木はなんなんだ、、、
この木を生かした家具を作りたい。
心がざわついたり、心が閉じたり開いたり、もっと進みたくなったり、逃げたくなったり。

畏れも抱きながらときめく。
不思議なものだ。

職人として段取りというのは欠かせない大切なことであるが、
トキメキということを頼りに動いていると、予定外だったり、何かしらの脱線ルートに立たされている時がある。

手を動かして削りたくなる。
その気持ちはいったいなんなんだろう。

思い出の建築情景なのか、思い出の中の自然の情景なのか、それとも未来への希望への創作意欲なのか、
心がキュンとなってそしてトキメク。

手を伸ばしただけでは掴めないのは知っている。
板はお金で買えるけど、掴みたいものはお金で買えない。

正当な権利を買って、あいさつをして、その舞台に立ち、体を動かし、心を込めて、トキメキのスパークが起これば、いつの間にか掴んでいるかもしれない。

確実ではないけど、予感だけは強くする。

この道を行けば見つかりそうな気がしているということである。
いくつも途中に分かれ道は待っているのも知っている。
本当のこと。




2023051202.jpg

屋根はすごい。
屋根は巨大な傘だ。





2023051203.jpg

この頃、寸法の厚みへの価値観が変わってきた。
正しくは、変わったのではなく、物差しのあて方が変わったのだ。
より自然なあて方なんだろう。






水を濡らすと、汚れも流され表面の木肌の色が出てくる。
木が水を飲む。

2023051204.jpg


風にあたり乾いていく。
そんな日々が繰り返されて、順番に乾いていく木。
3年近く経過した板や、2年ぐらいしか経過していない木や、何十年と経過した木だってある。



デスクを作るために仕入れたブラックウォールナットの板。
もちろんこの板は去年に、何度も確認していて、ずっと良い感触が残っていたものだ。
そしてデスクの依頼の中で、この板の残っている感触を頼りに設計図を描き、
先日仕入れることを決めたもの。

でも、あらためて現物を見ていると、作ろうとしている家具を
もっと木に歩みよりたくなるし、最高のものにしたいという気持ちが高まる。
設計したものを上書きするかのような、もしくは、混じりけをを濾していくような、、、そんな気持ちが生まれている。

2023051205.jpg




あらたな出会い。

2023051206.jpg

普通に良いものは、そんなに、、、、。
それを超えていくモノやコトってなんなんだろう。

自分の心や経験や想像と共鳴して、気持ちがあがり続け
一体になる。

畏れながらもチェレンジしたくなる創造につながる出会いは、
万が一ぐらいの奇跡のように感じている。





栗の木。


栗の木は、木目の読み方や作るときの心境で、ずいぶんと変なものになってしまうと思っている。
30年ぐらい苦手だった木。

でも今日は違う。

たまに、ほんとたまに、苦手でなくなる。


それと、苦手だった栗の木の生かし方がわかってきた。
栗の木と向き合うことが多くなったのもあるけども、
栗の木を無視せずに、ちゃんと苦手に見える事実を、受け入れてきた成果だとも思っている。

2023051207.jpg

大きな栗の木。
曲がりは大きい。素直に曲がっているのが面白いと思った。





あるダイニングテーブル用のクルミの板。
長く分厚い。
色も良い。
黒く染めるから色は関係ないように感じるかもしれないけど、、、。
木目の導管の感じや、雰囲気が良い。
2023051208.jpg
2023051209.jpg
20230512010.jpg

でも、裏までワレが届いている。でもこれが良いな。
すぐにでも削りだしたい。
trackback (0) | comment(-) alternative
03.10 Fri
こちらも、納品日が決まりもうお別れ(晴れてお届け)の黒染めのテーブル。
ダイニングテーブルと言えば良いのか、リビングテーブルと言えば良いのか、
たくさんの時間の中、使って頂きます。


科学反応で木を染めているといっても、表面の黒に透明感が出てくると思っています。
それは表面が使われていると、油が入ったり、こすれたり、はげたり、、。
ニュアンスが出てくるともっと良い感じになっていって欲しいですね。

最初はどうしても均一な黒を目指しているわけだから、
漆やぼかしなどの透明感のような色気を経年変化に期待してしまう。

2023031007_20230310181917191.jpg
2023031008_20230310181919c06.jpg
2023031009_2023031018192051d.jpg


それにしてもいい感じだ。
素材感はブラックアウトされていない。
trackback (0) | comment(-) alternative
09.18 Sun
10chair を60チェストの上に。



60chest は1800mmの高さがあり、お店のカウンターの背面で収納として活躍しつづけている。
上の方まで引き出しというのは、独特の使い方になる。

本屋さんで、高い棚のために踏み台が置いてあったり、ギミックなハシゴが置いてあったりするのを見るけど、その踏み台を使う時や、とくにハシゴを使う時は、僕はなんだかちょっとだけ役者になったような気分になる。

上の方まで引き出しというのは、使い勝手が役者なのだと思う。
そう思うと、自分の人生も映画のように、日常も映画のように、楽しんでいるようなそんあ気分である。

フレームだけの10チェアにちょうどいい場所でもある。
trackback (0) | comment(-) alternative
01.27 Mon





書家の杉浦晴香さんが、表札の見本を届けに来てくれました。

住宅の建設をされているクライアントも多いため、表札のご相談を頂くこともあります。
文字を含め看板や表札など本体を作ったりするのですが、文字に魂を込めたいなと思うことがあります。

逆に文字は記号的にライトにとらえる場合もありますが、文字を深めるのも良いですね。




trackback (0) | comment (0) | alternative
11.24 Sun


ありそうでないもの。

やっぱり、探し続けたけどない。

ありそうなんだけどない。




それは理想の普通。


2019112401.jpg


豪華さでなく、豊かさ。


trackback (0) | comment (0) | alternative
11.17 Sat





2018111705.jpg


店の雰囲気が明るくなった。

新しい家具や作りたいことがたくさんあって、時間が足りないなあ。

楽しいからいいものができる。
いいものができるから楽しい。

何がいいものって言われると、
シンプルにいいものはいいになる。

作り手が、「いいよ!これは。」って言えるぐらいの。



先を見続けている。





trackback (0) | comment (0) | alternative
06.05 Tue

前川國男邸 

モダンでとてもお洒落に感じる。

江戸東京たてもの園で見学できる建物の多くは、今の住宅にはないキュンとくる部分がいっぱい。

品があって粋である。






2018052903_2018060518181287d.jpg

2018052904.jpg

これからの人にこそ、お洒落に生きていってほしいと思いました。

僕ができることは、それを僕自身が実践していくこと。
そして、それを普通に提案していくこと。

2018052901_20180605181810c52.jpg


trackback (0) | comment (0) | alternative
05.09 Wed
新しいアトリエのことを考えていて、やっぱり場所のパワーみたいなのが始まりで、その地に足で立ち感じ、生まれていく想像を現実にしていきたく。

いずれ今のアトリエから新しいアトリエに移る日が来るんだろうって実感は持てないんだけど、
未来のアトリエでやっていきたいことは、不思議だけど、はっきりしたイメージが浮かぶ。

畑や服やガラス瓶やボールから溢れるサラダ、風になびく旗、デッキを抜け店内に入る風、帆布で作るトートに、トートバックをかけるフック付きにデスク。本当に素晴らしい新作のソファがゆったり置かれ、素材と仕事がカラフルにからみあい、木漏れ日や食器の音や木の香りや料理の香り、そして忙しそうな手仕事の音、木の床を歩く音、窓を開ける音、雨音、透き通ったガラスをつたう雫や、一面に広がる夕空、いつのまにか自然に包まれていく日々、あげたらきりがないけど、どうしても手に入れたい土地が見つかって、そしたら今までためてきた見てきたことや場所の感動が、こんなにも開放していくなんて、、。

手に入るかどうかわかないけど、がんばってみます。



2018050901.jpg
2018050902.jpg
2018050903.jpg
2018050904.jpg
2018050905.jpg
trackback (0) | comment (0) | alternative
05.05 Sat

2018050603.jpg
2018050604.jpg
2018050605.jpg

念願のソファということで、布仕様で注文頂きました。
リクエストの赤いファブリックを中心に提案。
赤といってもそれぞれ雰囲気がある。
trackback (0) | comment (0) | alternative
03.23 Fri
桜咲く。

そして再会の打ち合わせ。
奈良県から会いに来てくださいました。




「いってらっしゃい」と「おかえりなさい」の背景に、そっと家具があるように。
先日採寸におじゃまし、愛育み愛で守っていくあたたかで明るい気配で満ち溢れている暮らしを感じ、家族のうつわとしての家づくりということだったということを聞いて、そんな日々が始まり、今日までいったい何日そんな思いと願いが重なってきたんだろうと想像し思わず涙ぐんでいたのは、そこには大きな愛を産んできた人が生きていく美しさに心がふるえたのかもしれない。

「すみながら」に残していきたいことは、何重にも重なりあい結晶として一冊の美しい本になっていければという夢。
別々のところで生きてきた僕らは、家具というきっかけに導かれ、同じ時間の中で見ているものが同じという安らぎのような夢を持っている。
trackback (0) | comment (0) | alternative