
この編み込みも、実にいいです。クライアントにもぴったりで、
信じるとは、すごいことだなあと思うわけです。

こちらは、ザ、チェアの籘編み張替えをした時に、とっておいたものです。
なかなかやけ色がよくて、色むらも気にいっています。
そのままの現物が、無言で物語っています。

おまもりのようにやさしい存在です。

同じものは2つとない。実寸法も違えば、細かな削りも違う。
まして同じ木はない。
その時々に、感じながら作ると、そうなる。
それでも普遍な形に安定することが、たまにある。
それは、自然とできあがっていった自家製の味噌ようなものだ。
と、言っても味噌汁のバリエーションはあるわけだ。

dining table / nara soapfinish
完成したテーブル。クライアントの家が完成するまで、まだ数ヶ月ある。
シェルフの引き違いトビラの編み込みも楽しみである。
去年のいつの頃かにご相談を受けて、何度となくお会いしてきた。
家を作りの中の一環ではあるが、ひとつの物の追求としての密度はとても濃いと思った。
共感というのは心強い。
生活こそ素敵でクリエイティブであるからして、家具というものを、ぼくは追求している。
落ち込んだりすることもあるが、
いきつくところは、生活の質を上げることに、落ち着きと安心を得る結果になる。
質を上げようとすると、結局、人間に向き合うことになる。ぼくの場合は。
だから、どうしても、物の完成度ということだけにはならない。
縁があって仕事だから、それに精一杯応えたい。
欲張りかもしれないが、心から満足してもらえるような仕事をしたい。