
久しぶりに、尊敬している人に会った。
「いっしょに背負っていくから」と言える人は、なかなかいない。
その人は、
人生を一生懸命に悩み生きている家族を40年間目の当たりにしてきたドクターである。
包括的に家族と向き合う眼差しは、思いやるやさしさ、と、やり抜くしなやかな強さを持っている。
まさに、現代の寺であるとさえ思う。
またそのドクターも壮絶な人生の経験をしてこられたようだ。
70歳を前に、使命感なのか、とてもとても忙しく働いている。
ご飯も食べる時間もままならないその姿勢に、頭が上がらない。
平穏な中では気づけないものである。
真面目な話、飢餓が、日々のありがたみを人に気づかせるものである。
足りないところから満ちていこうとするから、ありがたいのだ。
だから、その先生のやさしさは本物である。
なまぬるくない。
ただただ、鍛え温かいのだ。
「大丈夫だよ」と戦士が言う。