
納品を待つばかりのイタヤカエデのダイニングテーブル。
間もなく引っ越された東京に納品に伺います。
ずっと前に僕が作ったカエデのダイニングテーブルがあって、それは、たくさんの人と話しをしてきた特別なテーブル。
形は角。
名前をつけるのが苦手で、番号だったり分かりやすい名前をつけてきたことを思い起こす。
とてもシンプルな形だからこそ、そのまま作り手が出る仕事、これしかないというぐらい納得いくまで向き合って、ドキドキときめく気持ちの中でスッと作ったテーブル。
その気持ちをひとつ形にするならと完成(完結)したのが、出会いから4年後の、お店オープンするべく奮闘している中でした。
カエデの木に魅了され付き合いが始まったのは、僕が独立して1年目ごろの事で、仕上げたカエデを前にし、夜の静かな無限のような時間の中、ただただ眺めていたのを思い出します。
雨の音と昼間の温かな日差しは、僕のものづくりの夢をより一層膨らませてくれました。
たくさんの人と出会い、育ててもらいました。
家具を作りながら、木の美しさや物の価値を知ることはもちろんそうですが、むしろ、人の持つ生命力に気づかされてきました。
人が前に進もうとするときに、エールを送れるようにとびきりの家具を作りたい。
これからもオープンマインドで人に会い、
僕の見た希望や美しいなと感じた瞬間を、ひとつひとつ形にしていきたいと思っています。