水楢の下駄箱。
都内のお住まいのクライアント。
3月に洗面台を取付に伺った新築の現場。
取りかかっている下駄箱は、壁面に取付浮かせます。
脚のあるデザインも検討しましたが、全長2400mmの長さを生かし、壁面に造り付け致します。

トメの板組みが好きで、箱物家具を作る際によくやりますが、
独立して間もない頃は、見付けの部分だけトメで全体の組手はアラレというのをよくやっていました。
組手を見せたいという気持ちが強かったと思います。
その頃はまだ若く、組手や仕口の自慢をしてしまいがちでした。
今でも木口を見せていく組手ももちろん好きで、
その家具を作る際、いや、設計をしている際に、構造と存在が一致し、心が高まるかどうかであります。

今回は、とっておきの長く幅の広い板。
10年以上のとっておきの材ですが、この板を最大限生かせるチャンスがなかっただけです。
それぞれの板を一番輝かせたいです。

2400mm×390mmの一枚天板。
日本的な玄関の粋な雰囲気が出そうな木の表情です。