10.09 Mon
chair 01 から 心の引き出し

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2000年を迎えたとき、とてもフレッシュでなにか新しいことが始まるようなとてもハッピーな気持ちになりました。

それからあっと言う間に17年も過ぎました。
まだ僕が20代で、それこそ今思えば若かったんでしょう。
ただ、成長や学びは同じ同一線状にあるせいか、その頃のままでいるような気がして17年も過ぎたのかな?っていうぐらいにしか思えないのが正直なところです。

30代の頃は、デザイン科の家具作りの講師を勤めていました。家具工房をしながらですので、週に1日ですが、10年間ほど、20代の若者たちを前に、彼らの成長や汗をかく姿に、情熱をぶつけていたように思います。出席を読み上げ課題を考えていたのが懐かしく思い出され、情熱を注げたうちに身を引いたせいか、一人一人話したことを温かく思い出すことができます。

講師としてまごつきながらも育てるという立場を自覚しだした2000年。
工房で仕事をしながらも出会いの場はなく、今のようにSNSもインターネット人口さえもままならない、情報も自分の足で見つけていた時代に、港の倉庫で作品展をしたのでした。

芸術活動への活用ということだったと思いますが芸術倉庫という名で募集があり、なんとか審査を通過し(通過してしまった〜汗)ました。
今はもうないと思いますが、巨大な元穀物倉庫で、天井は6メーターあり、コンクリート造の無機質な異空間は、傷や汚れは美しく温かく感じ、また西の方角には、大きく開く鉄扉があり夕方には綺麗なトーンの空しか見えなくて、港の倉庫をより一層、幻想的でやさしい場に包んでくれました。

僕の引き出しの中から、宮嶋くん「黄昏時って、姿が見えづらくなる頃の時間帯で、あん『あなたは』は誰ですか?時っていうとこから来てるんだよ」って そんな言葉を残してくれた人のことを思い出し、感じるってことの嬉しさや、曖昧で日常の線がひとときだけど消える美しい時なのかも、、、と、、。

まあ、一人なので思考も想像も無限で自由。


そんな奇跡のような場で、作品展をするという決意は、僕の大きな希望となり、この01chair を形にすることができたのでした。

港に陽が落ちる頃、巨大な倉庫に儚げに確かに在る家具を見て、これから始まるいろんなことを一気に「大丈夫」と思えたのでした。




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