ようやく形になりました、ハードメープルのチェスト。
今、メープルがあらためて心地よく感じ、そんな気持ちの中で作っているからか、とにかく触っているだけで楽しいのである。
新しいことをワクワクしながら始めたりするのも、突拍子に始まるわけでもなく、積み上げていく日々のなかで、順にやってくる。
馴染みの材料なのに、自分しだいでこんなにも新鮮に感じる。
「はじめまして」ではなく、奥の深さを知り、木と自分との間に強い信頼が生まれていくのです。

毎回、より良くできないかと探求しながら家具を作っているわけですが、そんな意識で取り組んでいると同じ作業は常に新鮮で、材料と向き合ったときなんかはドキドキとした鼓動を感じます。
それは、余裕ではない心地の良い緊張感が生まれている状況であって、数週間の作業の中で、必ず新たな気づきが生まれます。
それが未来の創作や想像につながっていくのだろうと思っています。
奥が見たくなり探求したくなる
それが人間が作る物作りの醍醐味なんでしょう。
残すは金属の脚を待つばかりです。
ステンレスの脚の完成が楽しみであります。